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『魔法少女翔〜 コソコソ編 二次創作小説〜』


「1」


〜高館小学校近くの歩道橋〜


久しぶりじゃのぉ〜読者の諸君!わしの名前は猫神さm……!


「うみねこ、下校時間になったわ。そろそろ翔たちが出てくるわよ。」

「………のぉ千紗よ。わし今冒頭の挨拶をしとったのじゃが〜…?」

「あ゛?」

「ナンデモナイゾイ?」」


まったく酷い娘じゃ……神様であるこのわしに圧をかけてきおって。


さて、今回はわしと隣にいる魔法少女、「根城千紗(ねじょう ちさ)」のダブル主役じゃ。

なぜわしら2人が翔の通う小学校の近くまで来ておるのかというと………少し時間を遡る。


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〜数時間前 魔法少女たちのアジト〜


「はぁ?あのガキ……じゃなくて、あの時の翔のクラスメイトに変身デバイスをあげちゃった?(第27話 スーパーヒーロー参照)」


リビングでスマホを見ながらくつろいでいた千紗が画面から目を離した。

うみねこはアジトで翔以外の皆に話そうと思ったが、今は千紗1人しか来ていなかった。


「だ・だって…あの娘あまりにもしつこくてのぉ〜…昨日変身デバイスを作って授けてやったわい。」

「へぇ〜……確か『剣吉茜(けんよし あかね)』って子だったかしら?結局、あの風紀委員(百合絵)みたいな魔法少女になるの?」

「いや、あくまでアレはオモチャのようなものじゃ。変身する姿は変身者のイメージに沿うように作っておる。魔力も翔やお主らより低い仕様じゃ。」

「ふぅ〜ん…そう。」


再びスマホ画面に目線を戻す千紗。

だがうみねこはその場を去らずに身体をモジモジさせながら…。


「そ・そこでのぉ〜千紗よ。」

「何?」

「ちょっと〜…手伝って欲し…」

「嫌よ。」

「まだ途中!」

「面倒。」

「グッ……!頼む!あの娘、今にもアレを使いそうじゃから一緒に様子を見に来てほしいんじゃ!まだモンスターと戦った事がないのに調子に乗って『もしもの事』があれば…!」

「翔に頼みなさいよ。クラスメイトなんだし。翔ならもう中級くらいまでは倒せるでしょう?」

「それが…あの娘から「力に慣れるまで翔には内緒でお願いします!」と言われてのぉ…。」


はぁ〜…とため息をつく千紗。

結局他に動ける魔法少女が自分しかいない事を察し、スマホを持ってた腕を下げてしまう。


「………仕方ないわね。貸し一個ようみねこ。」

「すまぬ〜!さすがわしが見込んだ魔法少女じゃ〜!」

「で?どうするの?」

「うむ、まずは翔たちの小学校へ行ってあの娘の様子を…。」

「合法的に翔の小学校へ行っていいのね。それを先に言いなさいよダメ猫。」


秒で出掛ける支度を済ます千紗!

さっきまで「動きたくないオーラ」全開だった魔法少女とは思えないスピードだった!


「………いや、見に行くのは翔ではなくあの娘じゃからな???」


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……………というわけなのじゃよ。

千紗がおるのはもし強いモンスターが出てきた時になんとかしてもらう……つまり用心棒をしてもらうためなんじゃ。


「あ、うみねこ!」

「む?あの娘が出てきたか。」

「翔よ!」

「(ガンっ!)」


歩道橋の手すりに思いっきり頭をぶつけるうみねこ。


「なんか隠れながら誰かを見てるわね。」

「なんじゃと……誰を……ってソレがあのヤバい娘ではないか!走っておる!早く追いかけるぞ千紗!」

「影に隠れながらクラスメイトの女子を見つめる翔……イケナイ感じもしていいわぁ……。(パシャリ)」

「それを盗撮するお前はもっとイケナイぞ!?いいから早くついてこんか〜!」


「2」


〜アジト〜



学校からいいんちょー(剣吉茜)が急いで向かった先は、魔法少女のアジトだった。

アジトの周りをキョロキョロ見回している。


「え?またアジト来たんじゃけど。何あの娘。怖いんじゃが。」

「メッチャ引いてるじゃない。何回アンタに頼みに来たのよ?」

「10日目過ぎてから数えるのをやめたわい。」

「………今回は同情してあげるわ。」


少し離れた木の影に隠れながらいいんちょーの様子を観察するうみねこと千紗。



「うみねこ様〜!………うみねこ様居ないのかなぁ。せっかく編み出した技とか見てもらいたいのに………よし。」



するといいんちょーはどこからか「お皿」と「ちゅるちゅる」を取り出した!

そしてお皿に盛り付けてアジトの前に置く。


「何してるのよあの子?アレに引っかかるわけ………ないわよね〜隣の自称マスコット。」

「当た…り前…じゃろ?(涎ダラダラ)」

「アレで毎日釣られてたのね。納得だわ。」



「反応なし……ほんとに居ないのかしら?珍しい。早くコレに慣れて翔を驚かせたいんだけどな…(腕の変身デバイスを見ながら)…あ、ヤバっ!」


何かに気付いたのか、うみねこ達とは別方向の木の影に急いで隠れるいいんちょー。

少ししたら、アジトに翔と若菜が現れた!


「ほら翔〜!アジト着いたから早く変身して変身!今日もどれだけ女の子として成長したか……お姉さんが見てあげるよ〜?」

「やめてよ変態若菜。ブザー鳴らすよ?」

「変態じゃな〜い〜!若菜お姉ちゃんって呼んで〜!じゃないとセクハラ続けるぞ〜?」

「それが変態なんだよ!?……くそぉ〜いいんちょー見失っちゃったよ…(小声)」


どうやらアジトに遊びにきた若菜が翔と鉢合わせしたようだ。


「ったく馬鹿菜。翔にベタベタ触りすぎよ。……私も触りたいのに。」

「近づいてくる魔力は感じとったが2人同時に来るとはのぉ。」


一方、いいんちょーは。


「(翔…!やっぱり高校生のお姉さんたちとえっちな事してたんだ!明日問い詰めてやらないと…!)」


あらぬ誤解をしていた。


「およ?何このお皿?あと……何かのエサ?」

「あ、コレ確か猫が好きなやつだよ。ちゅるちゅる。」

「え?可愛い。翔、もっかい言ってみて?」

「やだ。」

「(しまった!うみねこ様のお供物置きっぱなしだった!)」

「あ、そっか〜。確か私たち以外にはここ(アジト)って祠にしか見えないんだっけ?誰かお供物で置いてったんやな〜。」

「…………でもお供物でちゅるちゅるって珍しいな。」

「…………ププっ!」

「笑わないでよ!…ほら、早く入るよ。」


地面に皿を置いたままアジトの中に入ってしまった翔と若菜。

少し時間をおいて、いいんちょーがお皿を回収しに来る。


「危なかった〜……仕方ない。うみねこ様にはまた別の日にお願いしよう。そうと決まったら…!」


また別の場所へ移動し始めたいいんちょー。


「また何処かに行くのかあの娘は。行くぞ千紗!」

「…歩く疲れた。私もアジト帰っていい?」

「何卒、ご同行お頼み申すのじゃ千紗殿。」


半泣きで頭を下げるうみねこ。


「はぁ〜…じゃあうみねこ。前みたいに魔法少女になってさ、魔法で私を運びながら浮いて追いかけなさい。今ちょっとスマホいじりたいから。」

「神様に向かって嘘じゃろこの魔法少女!?」




「3」


〜超者おまつり広場〜


広い場所に到着し、今度は周りに人が居ないか辺りを見渡しているいいんちょー。


うみねこと千紗は離れた場所から様子を伺っていた。


「この感じ……まさかあの子……っていうか後ろでゼェゼェうるさいんだけど?」

「ハァ…ハァ…老体を酷使させた挙げ句、その言いぐさとは……なんて娘を…ハァ…ハァ…魔法少女にしてしまったんじゃわしは…ハァ…ハァ…。」

「……しかも何でわざわざ私の学校の制服を着て変装してるわけ?」


そう。

今うみねこは魔法少女姿、つまり人間態へと変身している。

そして何故か千紗と同じ学校の制服を着ている!


「ここらへんは木々が無いから元の姿じゃと明らかに怪しのでな。おヌシと同じ学生に扮していれば周りの目を欺けるじゃろ?」

「ふぅん…そのネコ耳は?」

「魔法少女以外には見えぬようにしておる。身体の一部くらいならアジトと同じ魔法は出来るんじゃよ。」


腰に両手を当てドヤ顔をするうみねこ。

その勢いで胸が揺れる。


「は?あんたブラは?」

「ブラ?あぁ皆が翔に買っておったやつか。(第13話 おブラ参照)。そういえば忘れてたのぉ。(ムニムニ)」

「ふぅ〜ん……………それも魔法で隠せばいいんじゃ……ないっ!?(ガシッ!)」

「痛い痛い痛い痛い!!!???乱暴に胸を掴むな!!!???」

「おいクソが……マジで私より大きいじゃねぇかコラ。(グニッ!)」

「ギャァアアアア……!!!はっ!?」


あまりの痛さに大声を上げてしまったうみねこ!

とっさに口を隠した!

千紗もマズイ!と手を離す!


一方いいんちょーは……。



「…………?今うみねこ様の声が聞こえたような?気のせいかしら?でもそれより……。」


身構えるいいんちょー。


すると!急に地面が割れて下から謎の手が伸びてきた!

ギリギリ気付いて飛び退くいいんちょー!


「きゃっ!……やっぱり居たわね!」

「ちぃ!なんだ!ピチピチのJKかと思ったらタダのケツの青いガキじゃねぇか!」


なんと!地面から現れたのは魔法少女の敵である魔人、モンスターだった!


「……周りに何も無いはずのこの場所で女子の足を触られる事件が多発していたって話を聞いたのよ。絶対翔たちが相手をしている怪物だと思ったわ。」

「フハハハハ!成る程な!俺様の趣味が若い女子の生足を触る事だと知ってワザとやって来たわけか!なら貴様も餌食にしてやるのみよぉ!」


いいんちょーに歩み寄るモンスター。


それを遠くで見ているうみねこと千紗。


「やっぱり。少し嫌な気配を感じてたけど。あの子わざわざモンスターに会っていきなり実戦をする気ね。」

「そのようじゃのぉ……見たところ相手は『下級』だとは思うが。大丈夫かのぉあの娘?」

「いいんじゃないかしら?やらせてあげれば。」

「うむ、もしもの時は頼むぞ千紗。」


そしていいんちょーは腕の変身デバイスを押す!


「変身!!」


するといいんちょーはムキムキマッチョのヒーローへと変身した!(第27話 スーパーヒーロー参照)


「何!?ガキンチョが……ムキムキ野郎になりやがった!?」

「覚えておきなさ……ゴホン。覚えておけ。我が名は………!」


背中の竹刀(?)を抜きながらサンライズ立ちをするいいんちょー。


「我が名は!『バンブー仮面』!いざ勝負!」


決まった。

一方、うみねこと千紗は……。


「ちょっと何アレ?全然魔法少女じゃないじゃない。」

「最初に言った通り、あの変身デバイスは変身者のイメージを具現化するものじゃから…アレがあの娘の理想なのじゃろう。ワシも今初めて見て驚いとる。」

「なんというか……戦隊モノ。男の子みたいね〜。」


そして戦いは終盤に。


「コレで終わりだ!『ザ・火炎斬り』!」

「グギャァァァァァァ!!!」


見事、モンスターを倒したバンブー仮面!

竹刀をしまい、何故か顎に手を添えてその場に立ち止まる。


「ザ・火炎斬り……ちょっとネーミングがシンプルすぎるわね。もっとカッコいい名前にしなきゃ……(ブツブツ)」


「終わったのに何をしとるんじゃアイツは。」

「さぁ?…………あら、マズイわね。」

「ん?どうしたんじゃ千紗………あぁ、確かに……これはマズイのぉ。」


「4」


〜そのまま 超者おまつり広場〜


なんと!いつの間にかバンブー仮面の所に5匹のモンスターが歩み寄っていた!

その内の一体は亀の様な姿をしていてセンターにいる。どうやらリーダーのようだ!


「むっ!?」

「おいおいおい!巷の魔法少女が同胞を倒したのかと思って来てみれば……なんだぁテメェは?」

「新手……でも5匹増えたところで今の私なら余裕ね。(小声)」

「無視かよコスプレ野郎!まぁいい、かかって来いやぁ!」

「よかろう、いざ勝負!ハァ!」


竹刀を抜いて切りかかるバンブー仮面!

だが!


(バキッ!)


亀のモンスターが甲羅で受け止め!竹刀を掴み、折ってきた!

どうやら中級以上のモンスターのようだ!


「え!?え!?嘘でしょ!?」

「なんだぁ?女みてぇなリアクションしやがって!?弱っちぃじゃねぇか!」

「あ……あ……」

「大した事なかったなぁ。オイお前ら!面倒だから一斉にかかって終わらせちまえ!」


後ろにいた4匹がバンブー仮面に飛びかかってくる!


「キ・キャァァァァァァ!!!」


…………………………

………………………

……………………

……………

………



「なっ!?」

「え?」

「………………はぁ〜。」


なんと!一斉に飛びかかってきたモンスター4匹は一瞬で塵となって消えてしまった!

そして跪いてしまったバンブー仮面の前には……1人の魔法少女が立っていた!

言うまでもなく………ずっと隠れていた「千紗」だ!


「あな…たは…。」

「ジッとしてて。すぐ終わらせるから。」

「魔法少女か!随分大層なオノを使ってるようだが…そんなんじゃ俺の甲羅は砕けないぜー!」


襲いかかってくる亀のモンスター!

千紗は武器を構える!


「知ってるアンタ?そういうの…………フラグって言うのよ!ちさちさ……トマホーク!!!」

「…え?待っ…強っ……ギャァァァァァァァ!!!」


横振りのトマホークを受け止めようとした亀のモンスターは甲羅ごと真っ二つになり、爆発四散する!!!


あまりの力の差に呆気にとられるバンブー仮面こといいんちょー。


「嘘……強すぎ……。」


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〜中心街 コーヒー店〜


「まぁ〜……最初にしては上出来じゃったぞ。あとから現れたのは「中級以上」のモンスターじゃったからあまり気にする必要は無いぞい。」

「うみねこさま。見ててくれていたんですね。ありがとうございます!………ところで何で女子高生の服を???」


ギャラリーが増え始めていたので、戦った場所から急いで離れて変身解除した千紗といいんちょー。

うみねこと合流して落ち着く場所まで移動していた。


「潜入調査みたいなもんじゃ。ほら、千紗と並べば怪しまれないで済むからのお!」

「その胸、今度こそ引きちぎりましょうか?(ニコニコ)」

「………許して…くださいにゃあ。」


恐怖で怯えるうみねこ。


「はぁ……アナタ。どうして1人でわざとモンスターに会いに行ったの?」

「えっと……私ちゃんとこの力を扱えるかどうか試したくって……。」

「翔のサポートのためにその力を貰ったのよね?そして早く肩を並べて戦いたいと。」

「はい、そうです!」

「馬鹿ねアナタ。」


キッと睨みつける千紗!

ビクッとなるいいんちょー。


「もし私たちがいなかったらあの時どうなってたの?翔は落ち込むでしょうね。自分のせいでアナタを巻き込んだんだって…。」

「あっ……。」

「お・おい千紗…。」

「分かってる、これ以上は言わないわ。でも今度は1人で勝手な事をしちゃダメよ。魔法少女の戦いは…ごっこ遊びじゃないんだから。」

「わかりました……ごめんなさい。」


反省して頭を下げるいいんちょー。

何故かオロオロするうみねこ。

それを見た千紗はまた一息ついて、


「……はい。じゃあ難しい話はおしまい!」

「え?」

「アナタ、これから翔のサポートをする事になるんでしょ?翔が普段どんな子なのか〜?とか。学校ではどうなのかな〜?とか。女子同士の情報共有。しておきましょ?」

「え?え?は・はい。」

「おい千紗、それはお前が翔の知らない事を知りたいだけ……イダダダダダタ!!!ちぎれる!胸ちぎれる!」

「う・うみねこ様ぁ!?大丈夫ですか!?」


こうしていいんちょーはバンブー仮面としての理解を深め。この後、翔のピンチを救う事となったのてした。

これからもよろしく!いいんちょーことバンブー仮面!


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〜一方 魔法少女のアジト〜


ゲームしてる2人。


「へくしゅん!!!」

「おっ?風邪か〜翔〜?」

「ズズッ。分からない。多分そうかも。」

「それか〜…誰か翔の事、噂してんじゃな〜い?」

「え?そうかな?マジカルショーコのカッコいい活躍の事とかかな?えへへ。」

「隙あり!」

「あっ!くそぉ!ズルいぞ若菜!」

「へっへっへ。さぁ罰ゲームじゃ〜女の子のまま……また服を一枚脱ぎなぁ〜?」

「ちょ……もう次はスカートかブラだよぉ。」

「ひょ〜!」


(ガチャ)


「何をしてるんだお前たち?」

「あっ。ヤベッ。」

「凛さん!助けて!若菜が…脱がせてくる!」

「誤解を生む言い方ぁぁぁぁぁぁ!!??」



おしまい


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