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『魔法少女翔 〜高館小編 二次創作小説〜』


「1」


〜朝の教室 翔の小学校 「高館小学校」〜


俺、風穴翔(かざあな かける)!小学生5年生!ある出来事がきっかけで今は『魔法少女』をやってるんだ!カッコいいだろ?


もうすぐ3月。そろそろひな祭りとかなんだけど…。

実はこの時期、俺の学校では特別なイベントがある。


あ、先生がきた。


「は〜い、みなさん。席に着いて。おはようございます。」


「「「「「「おはようございます!」」」」」」


「みなさんも知っていると思いますが。もうすぐ近隣の小学校、『根岸小学校』の生徒達と恒例の交流行事があります。」


すぐさま反応する翔と友人の隼人(はやと)・優(ゆう)。


「いよいよか!楽しみだな翔!」

「あぁ!優もだよな?」

「うん!僕、根岸小にも友達がいるから会うのが楽しみだよ。」

「こら〜そこの男子3人。先生の話ちゃんと聞きなさい。」

「「「へ〜い(は〜い)、いいんちょー(委員長)。」」」

「コホン、毎年5年生が交流行事を行うので今年は皆さんの番です。当日は怪我のないよう気をつけて交流行事を全うしましょう。では今年の種目ですが…」



数時間後…。

お昼休みの時間。教室で喋ってる翔たち。


「翔、やべぇよやべぇよ…。」

「まさかの今年は「障害物競走」か〜。全然予想出来なかった。」

「野球とかサッカーだと思ってたのにね。隼人くん、新しいグローブが試せるかも!ってワクワクしてたのに。」

「ほんとにな〜。走るのは嫌いじゃないけど障害物系はやった事無いからコレもうわかんねぇな〜。どうせなら流行ってるケポモンとか根岸小の奴らとやれたらいいのに…。」


「携帯ゲーム機を交流行事でするわけないでしょ。それこそ予想出来ないわよ。」


「あ、いいんちょー。」

「翔、やるからには私たちのクラスも本気で行くわよ。勝てば優勝メダル貰えちゃうんだから!」

「メダルか〜。そういえばいいんちょーも、剣道の時代が交流行事にもきっと来る!って隼人みたいなこと言ってたけど…残念だったな。」

「…………そうね。(ガクリ)でも私は学級委員長として皆を引っ張ってかないとなんだから。下を向いてばっかじゃいられないわ!」

「そっか…だよな。よし、こうなったらいっちょ頑張ろうぜ!いいんちょー!隼人!優!」

「しゃあねぇな〜。」

「うん、当日が楽しみだよ!」

「えぇ任せなさい!必ずこのクラスを優勝へ導くわ!」


こうして今度の土曜日に交流行事が行われる事になった。


「2」

〜アジト〜


「え!?マジ!?見に行く見に行く!」

「いや何でだよ。若菜(わかな)関係ないじゃん。」


あの後、学校であった事を凛(りん)さん達に話したら若菜が食らいついてきた。


「だって翔がクラスメイト達と何かやってるとこ見られるなんてメッチャ貴重じゃん!休日だし絶対行くに決まってるっしょ!」

「えぇ〜……一応、場所は『河原木団地さくら公園』って広い所で、確かに見学は自由なんだけど…別に見に来なくてもいいよ。(プイッ)」

「……おやおやおや〜?もしかして〜翔ったら私たちに見られるの恥ずかしいのかな〜?」

「なっ…!?そ・そんなんじゃないし!(顔真っ赤)」


それを見た凛・千紗(ちさ)・うみねこ。


「(図星だな。)」

「(図星ね。)」

「(図星じゃのぉ〜。)」


若菜はゲラゲラ笑ってる。


「もぉー!」

「それくらいにしておけ若菜。翔。すまないが休日とはいえ魔法少女の仕事もあると思うから、私は見には行けないが…応援しているぞ!若菜や千紗も…。」

「私も今回は馬鹿菜に賛成。何がなんでも見に行くわ。(スマホカメラを構えながら)」

「なっ…!?」

「私の地区に出る魔獣共は前日に潰す。根絶やしにしとくわ。本気出す。」

「な〜るほど!さすがちさちさ!なら私も私も〜!よ〜し狩りまくるかぁ!」

「お・お前ら…!」

「キャプテンもそうしたらいいじゃないっすか!翔の学校行事とかほんとレアですよ?」

「普段見れない体操服姿だろうし…可愛く走ってる姿も見れそうね…(ニヤニヤ)」

「なんだよ可愛くって…学校では女の子にならないってば!」

「……翔の……体操服。」

「え?凛さん?」


刹那。県立西校2年生徒会長、櫛引凛の脳内では『翔LOVEの凛』と『責任感の強い凛』が争い、一気に勝敗が決した!


「行くしかあるまいっ!(4Kビデオカメラを構えながら)」


「えぇっ!!??凛さん!!??」

「てのひらくる〜じゃの…。」


「3」


〜本番当日 河原木団地さくら公園〜


公園内では障害物競走の道具がたくさん用意され、高館小の5年生と根岸小の5年生が集まり開会式が行われている。


「選手宣誓!私たち!高館小学校5年生は!正々堂々……」


「すげぇ〜な〜いいんちょー。全く緊張せず堂々とやってるよ。」

「隼人だと壇上に立っただけでビクビクしちゃうもんな〜?(にやにや)」

「なっ…!できらぁ!」

「はは…でもホント凄いなぁ委員長。カッコいいね。」


こうして開会式が終わり、ついに競技が行われる。

いいんちょーの周りに集まる翔のクラスメイト達。


「よーし皆!今回の障害物競走の再確認よ!まず5人で1チーム、もう作ってるわね。私のチームだけ人数不足で4人だけど計「5チーム」。

根岸小学校の5チームと団体戦で5回戦うわ。先に3勝した方が優勝!」

「優勝したら金メダルか〜!ワクワクするぜ!」


「そして肝心の障害物は…アレよ!

1つ目は「麻袋(あさぶくろ)」下半身から麻袋を履いてぴょんぴょん飛びながらゴールを目指すわ。

2つ目は定番の「吊るされたアンパン」コレは説明するまでもないわね。

3つ目が「風船割り」これも用意された物で叩くかお尻でコースに並べられた風船を全て割る。そしてゴールを目指す。

4つ目が「早着替え」着替える内容は本番まで秘密らしいけど…とにかくあの「着替えBOX」の中にある物に着替えたら走ってゴールするだけよ。

そして5つ目が…「ゴミ拾い」!各自コース上のゴミを全部拾ってゴール前のゴミ箱に入れたら終了!」


「1つ目が終わったら次のランナーにタスキを渡して…2つ目が終わったらまた次のランナーにタスキを渡すって流れだよね委員長。」

「えぇその通りよ優くん。ちなみに私のチームは『私・翔・隼人くん・種市くん』の4人だから……翔!アナタには後半2つを連続で走ってもらうわ!」

「えぇ〜…なんで…」

「翔、アンカーよ。つまり翔は大将・主役ってことよ?(ひそひそ)


ちょっと考える翔。


「なんかソレ…カッコいい!わかった!やってやるぜ!」


チョロかった。


「よし!じゃあ皆、円陣組んで〜!…………勝つぞー!!!」


「「「「おぉぉぉぉー!!!!!!」」」」


一方その頃、見学席では。凛・若菜・千紗・うみねこがブルーシートを敷いて陣取っていた。


「結局、天空(そら)ちゃんに『お母さんと私は大事な用事があって応援に行けないので、お兄ちゃんの事をよろしくお願いします!』と頼まれたから、正当な理由で来られた訳だが…。」

「私は翔や皆のお弁当を用意してきたけど…ちさちさ何やってんの?気合い入りすぎじゃない?」


千紗はいつものスマホカメラに三脚スタンドを装着してミニ椅子に座りながら構えていた。見据える先は翔のみ。


「ホントは私もビデオカメラにしようかと思ったけど……やっぱり手慣れてるこっちがいいわ。でも妥協はしない!(キリッ)」

「翔の事になると目の色が変わるな千紗。あまりはしゃぎすぎるなよ?」

「キャプテン…右手に4Kビデオカメラ構えて言われても説得力無いっす…。」

「し・仕方ないだろ!翔が可愛いのが悪い!」

「お〜い、そろそろ競技が始まるみたいじゃぞ?」

「あぁ大丈夫だようみねこ〜。翔たちの出番最後らへんらしいから。私たちはまだゆっくりするわよ。」

「?? では何故凛たちはもう構えとるんじゃ?」

「クラスメイト応援してる翔を撮ってるね。」

「………もう訳がわからんぞ。」


「4」

〜数時間後 第5回戦開始前〜


障害物競走、団体戦は激戦を繰り広げ、ついに「2勝2敗」でお互い残すところあと「1勝」となった。


「それでは!高館小5チーム目 対 根岸小5チーム目の最終戦を始めます!両者先鋒、位置について…よーい、ドン!!!」


一つ目の「麻袋」、走者は鈴木隼人!素早く麻袋を履いて飛び跳ねながらゴールを目指す!


「行けー!隼人ー!」

「いいわよー!リードしてるわ!」


隼人は相手と少し差をつけて「タスキ」を2つ目の走者、種市優に渡した!


「頼むぜ優!」

「うん、わかった隼人くん!」


だがここでトラブルが!

優の吊るされたアンパンが噛み付いても中々取れない!挟んでいるデカいクリップがかなり食い込んでいる!


「くそ〜なんだよアレ!根岸小の方はすぐ取れたのに!」

「優くーん!頑張ってー!」

「優ー!」


苦戦しつつも何とかアンパンが取れてタスキを3つ目の走者、いいんちょーこと剣吉茜に渡す優。

だが相手との差がかなりひらいていた!

相手はもう次の風船割りを始めている!


「ゴメン…!委員長…!」

「お疲れ様!大丈夫よ、任せて!」


根岸小の走者がお尻で風船を割る中、いいんちょーは用意された道具の中から「箒」を選んた!

そして竹刀を構えるかのように箒を持って次々と風船を割っていく!


「すげぇ〜いいんちょ〜!さすが剣道クラブ!」

「早い!さすが委員長!あ、でも相手が次の走者に…!あとは…」


一方その頃、見学席。


「ちさちさ司令、そろそろ翔の出番です。どうぞ」

「よろしい、ならば撮影よ。(スマホ構える)」

「よ〜し頑張れ…翔!頑張れ…!(カメラ構える)」

「楽しそうじゃのぉ〜おぬしら。」


そしてついに翔の出番!

相手はすでに着替えBOXの中に入っている。


「あとは任せたわ翔!」

「あぁ!サンキューいいんちょー!(さて、いったい何に着替えるんだろ?それにしても先に入ってった根岸小の女の子、なかなか出てこないな?難しいのか?)」


すると、翔がBOXに入る寸前で相手が着替え終わって出てきた!


「なっ…!?執事服!?」


なんと!根岸小の4つ目の走者である女の子は着替えBOXから「男装」して出てきた!


「男装…ってことはちさちさ司令!」

「えぇ、十中八九…翔の着替えBOXの中身は…」

「おいおいまさか…」


着替えBOXに入る翔!

中には……メイド服!(ウィッグ付き)


「もしかして翔くんのやつは「女装」するやつなんじゃ…?それじゃ時間が掛かって…あ。」

「気付いたか?優。」

「えぇ、もしかしたら…と予想はしてたわ。だから翔を4つ目からの走者にしたのよ。」


その時!着替えBOXの中から翔が用意されたメイド服に素早く着替えて飛び出してきた!

その顔は真っ赤に染まっていた。

根岸小の女の子が着替えてた時間よりはるかに早い!!!

それに驚く根岸小の5年生達。


「えぇ!?なんだあの高館小の男子!…男子?」

「いくらなんでも早すぎじゃない!?」


それを見た高館小の5年生達。


「「「「「(まぁ………翔(くん)だし。)」」」」」


一方その頃見学席。


「(笑い過ぎて腹を抱えて倒れてる若菜)」

「(新たな翔フォルダの潤いで幸せそうな千紗)」

「(無言で鞄から取り出した一眼レフカメラのシャッターを連写する凛)」

「何か喋らんかおぬしら…。」


走る翔。次の走者に渡す人は居ないので女装したまま5つ目の障害物に向かう!


「(くぅ〜!何だよコレ何だよコレ!?このまま次のゴミ拾いをやらなきゃいけないのか!?ヒドいよ〜!)」


「5」


5つ目のゴミ拾い、根岸小の走者はもう半分は拾い終わっていた!

翔は今ゴミを拾い始めようとする所…!


「(マズイな。俺の全力で拾い続けても先に相手が拾い終わる。間に合わない…!せめて魔法少女の状態なら素早い動きが出来るのに……………ん?メイド服?)」


何かを閃いた翔。


「(くぅぅぅ…!仕方ない!)」


すると!とんでもないスピードで落ちてるゴミをひろっていく翔!

周りからは驚きの声!


「すげぇぞ翔!はえ〜!これなら勝てるぞ!」

「行けるよ翔くんー!頑張れー!」

「よ・よくわかないけどいけるわ!優勝よー翔ー!」


「ありゃりゃ…?キャプテンあれって…。」

「あぁ。翔のやつ、変身して「魔法少女」になってるな。」

「ウィッグのおかげで上手く誤魔化せてるわね。」

「何をやっとるんじゃあやつは…じゃが、さすがに見過ごせんのぉ。」

「うむ…アレでは公平な勝負になってないな。

(手を翔に向けてかざす)変身解除!」


変身解除された翔!


「(アレ!?変身解けてる!?凛さん達か!やっぱりダメか〜…でも後は自力でやるしかない!)


「あれ?翔のやつペースダウンしたぞ?でもあとちょっとだ!」

「いけー!翔ー!あと少しでゴールよー!」


「「「「頑張れー!翔ー!!!」」」」


「うぉぉぉぉお!!!勝つんだァァァァァ!!!」


---------------------------------------

〜休憩時間 公園の木の下 翔と凛達〜


「えー…それでは翔の高館小5年生チームの優勝を祝して〜…いただきま〜す!」

「「「「いただきま〜す!!!」」」」


障害物競走の結果は翔のチームの大勝利!

優勝メダルがそれぞれのチームリーダー全員と翔に配られた!


「なんだかアジト以外で凛さん達とご飯を食べるなんて新鮮だなぁ。お弁当ありがとう若菜!」

「いいってことよ〜!今日の翔めっちゃ面白かったし!」

「えぇ、翔の体操服・メイド服姿。良かったわ〜永久保存版ねコレは。」

「だが翔、上手く誤魔化せたとはいえ人前で魔法少女に変身したことは反省するんだぞ?あと真剣勝負ではズルしちゃダメだ。」

「は〜い凛さん。ごめんなさい。(ペコリ)」

「うむ。それにしても体操服姿が似合ってるな翔。可愛いぞ。」

「そこ「可愛い」なの?凛さん…。」

「おっと。」

「いや〜翔は可愛いっしょ。」

「えぇ、翔は可愛いわ。」

「(ニヤニヤ)………って今は「男」だから嬉しくないの〜!」


そんな感じでわいわい食事をする翔たち。

そして食事も終わり…


「あ、じゃあそろそろクラスの皆との記念写真あるから!行ってくるね!」

「オッケー、じゃあまたアジトでね〜翔!」

「またね〜翔。」

「お疲れ様、翔。」

「じゃあのぉ〜。」

「うん、またね〜!」


凛たちと別れてクラスの元に行く翔。


「は〜い、みなさん。並んで並んで。メダルを持ってる人はちゃんと見せてね。」

「は〜い!類家せんせーはココね〜!」

「はい、わかってますよ。ではカメラマンさんお願いします。」


「楽しかったな翔!すごかったぜ〜お前!」

「僕のせいであんなに差があったのに…本当にありがとう翔くん!」

「期待通りの活躍だったわ翔。あなたのおかげで手に入れたメダルよ。ほらもっと寄って!一緒にカメラ向けましょう?」

「わかったよいいんちょー。サンキューな隼人・優。俺も楽しかった!」


「はい、いきまーす!はい!チーズ!!!」


パシャリ!!!



おしまい。

「魔法少女翔〜高館小編 二次創作小説〜」

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