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北アフリカ大洋 2021-11-25 オリジナル 作品を通報する

プラザムが立ち向かう 圧境のひずみ

以前上げた二次創作『圧境の下から』のプラザム版です。 冒頭自体はこちらが元になるのですが、向こう側が先に完走したので展開はある程度あちらを参考にすると思います。 続きは書きあがったら、かな。

広く、しかし薄暗い部屋の真ん中。 研究員の男が部屋の奥に向かって片膝立ちで控え、何かを報告する。 彼が言葉を止めて顔を上げると、暗がりに姿を隠した男らしき姿が何度か頷き、こう口を開く 「で?そのゴーレムとやらの研究は順調か。」 「はい、順調に行けばいずれはこの国を…」 そう言いかけた研究員の言葉は、頭をかすめた火の玉によって中断させられた。そして 「反乱者共をすぐに黙らせられるのかと聞いている。奴らを黙らせさえすれば脱税なんて愚かな真似はしなくなる。」 荒げられた言葉が止むと、轟音を立てて研究員の背後に会った扉が開いた 「…伝えておきます。では」 立ち上がり、暗がりに座る男へ一礼すると研究員は後ずさりして部屋の外へと出ていった。 扉が閉まると、緊張感から解き放たれた研究員は肩を脱力させて溜息を吐く。 そしてようやく動いた足もおぼつかなく 「今日も寝れない、か。いや、もういいかな。ふぁぁ…あぁ、いっそ罰は割り切るしか…な…」 ドサッ 聞き手のいない独白を言い終えぬうちに彼は膝を付き、その顔を重力に任せて固く冷たい床の中に埋めた。 …程なくしてその背後に、一つの影が現れる。 それは研究員を見下ろすと 「ふぅ、ここまでくると拍子抜けだ…けど」 そう溢しながら彼が完全に眠ったことを確認し、服の内を手早く物色した。 (…あった! っし、楽勝。あとは) そして目当てのモノを抜き取るとその場を後にする。 人のいない廊下を駆け抜け、窓から飛び降り… 「っと、危ない危ない」 ようとして衛兵の姿を確認し、踏みとどまる。彼らの監視を搔い潜ると庭を駆け抜け バッ ダッ シュタッ 「そこまでだ」 「!!」 塀を飛び越えたところで衛兵に見つかった。 「大人しく来てもらおうか、治安を乱す反乱者め」 見れば少年と呼べる年恰好のその影が諦めたように立ち上がる。 しかし、その顔はマスクで隠されていた。 「マスクを取ってもらおうか。死にたくはあるまい…」 そう言って詰め寄ろうとし、 チュゥン‥ヴォン 一筋の光線が身構える少年の姿を消した。 見上げると、体格を隠すようになびかせるマントの中から筋状の光を見せる人影が。 一際強く腕を光らせたそれは高らかに 「侵入者は俺が戴いた!ただし、何積まれようが渡さん!」 そう宣言する 「誰だ!」 「気に食わないものを生みそうな気配がしたので立ち寄った、通りすがりの旅人だ…というかまぁそもそも生活破綻が続出して何も対策練らないのがおかしいとは‥」 「ひっ捕らえろ!」 彼の演説を待たずして放たれた号令を合図に、火球や氷塊が飛ばされる。 予備動作も無くジャンプで避けるとそのまま地面に着地し、 「俺ごと差し出す気も勿論無いぜ!」 そう言うや否や衛兵の一人に接近し、肘鉄を一撃。倒し際に持っていた槍を奪うと ビュォッ キィン! 「…!」 襲い掛かる別の衛兵の攻撃をかわす。しかし ドスッ 「ぐふぁぁ…」 ドサッ あくまで殺さずを貫き、素手でもって意識を奪っていく。 その場に居た衛兵を一通り地に伏せると光線を一つ放ち ヴォォン 「ぅおっと」 ストッ 着弾点から先程の少年が現れた。 彼の腕はどうやらモノを収容する機能を持っているらしい。彼は少年を一瞥し 「もう大丈夫だ、行っていい。」 「ありがとう…名前は?」 「プラザムだ。早く行かないと次が来るぜ?」 「…わかった。頼む」 とだけ言い、少年は去っていった。 …それを確認したあと、ふとあることに気付く 彼を収容していた方の腕をまじまじと眺めて 「強奪機密の忘れ物だぜ?…まぁ、持ち帰って望み通りであろう処分は下すが。」 そう呟き、彼もその場を 「待て、侵入者め!」 ドゴォォン 離れようと振り向いた先、飛び退いた場所に大きな火球が降り注ぐ。 「…仕留め損ねたか」 「仕留め…呼び止める目的じゃなければあんな魔法、避けてくれというような…」 振り向くや否や迫る拳。 「っぉおお!?」 ダッ シュパッ スパァン…ザザザ 攻撃と防御の反動で互いの距離が離れると、衛兵服の男が先に口を開く。 「ガントレット…って感じでもねぇな。」 「種族が違うのでね。 人工物さ俺は。」 そう宣言するプラザムはその体の構造に生物要素を持ち合わせず、機械的構造を基本として構成される『アンドロイド』である。 「フン。何者かは知らんが、生きて帰すわけには…」 (この反応、何か仕掛けるな。) そう感じ取るや否や腕を光らせ 「‥いかんのだ!」 スパァン タァン ドォォォ 空を裂いて、電撃の拳が放たれた魔法を相殺する。 すかさず腕を帯電させるとプラザムは踏み込んで 「っ危ねぇっと」キィン ガッ 鳩尾を狙うが、いつの間にか抜かれていた剣で軌道を逸らされ、喉元を突かれる。 (人間に変身してなくて良かったと思うべきか。確実に仕留めに来てるな…が) 「これにて制圧」 バチッ 「な…何者…」ドサッ 再充填していた電撃を飛ばし、意識を奪った。 「まぁ、次が来ないうちにゆっくり歩いて帰るか。スペアの足はこの前使い潰したからこれ以上無理は出来ないからな。しかし」 プラザムが衛兵の衣服を改めて眺めてみれば、その制服はよく見れば偽物と一目でわかるものがあり… 「荒れ具合から予想は着いたが、彼の場合”あの程度で済んだ“といえるかも。それぐらい街に根差す闇は深そうだ。 …が、初日で大立ち回りが過ぎたかな。明日から派手には動け無さそうだ…」 そう考えつつ、他が来ないうちに徒歩でその場を立ち去る。 彼がこの街に来たのは偶然ではない。そのきっかけは数日前― ”その世界”において、プラザムが流れ旅人として定着し始めたある日のことである。 「…気じゃねぇよ、あんな腐れ外法街がよぉ!」 ダァン 何時ものように話し相手を待ちながらビールを呷っていると、グラスを机に叩きつけて激しく荒れる中年が居た。 そんな彼に絡まれまいと周りの客も距離を取ろうとしている。となれば ガタッ 「ちょっとその話、詳しく聞かせてもらえないかな?」 自分か聞き手になって彼を落ち着けるしかない。そう考え、隣の椅子を引いた。 そうして聞き出した経緯は以下の通りである。 ―最初に感じた違和感は高い通行料だった。それだけならたまにある程度だったのだが… 「おい、お前。」 「俺か?」 振り返れば憲兵と見える、薄汚れた男の姿。 声を掛けてから立ち上がった気配からやる気の無さが伺えるが 「どこから出て来た?俺のためにもちょっとついてきてもらおうか。」 そう言うと、男はその場が大通りであるにも関わらず彼の胸倉を掴んで裏路地へと引っ張っていく。 思わず腹が立ち、 「ったく俺が何だってんだよ! 衛兵に突き出して…むぐっ」 そう叫びかけると男は口を塞ぎ、ニヤニヤしながら 「その衛兵が俺だよ。」 そう告げた。 見れば確かに男の服は門で見た衛兵と同じ… 一瞬そう思ったが、よく見ればそれは本物とは到底似ても似つかないニセモノであった。 「…おいおい、憲兵の真似事かよ!? そんなの今すぐやめた方が…」 「一人挙げたらあっさり認めてくれたよ。最低週一人以上挙げれば見逃してくれるってさ。お上も案外チョロいもんよ ということで、払うもの払ってもらおうか。じゃなけりゃ窃盗で俺の手柄になってもらう…ぐはぁ!?」 唐突に首元が解放され、咳き込みながら壁にもたれかかる彼に手を差し伸べたのは年端もいかぬ少年だったという。そんな彼曰く 「よほどのことが無けりゃこの街には来ない方がいいぜ、おっさん。ほら、出してやるから付いてきな」 ―そうして抜け道から出してもらってようやくこの街だよ。冗談じゃありゃしねぇ…」 そこまで言うと、彼はコップに残ったビールを飲み干した。 (そんな酷い街がこの世界に…確かに荒れるのも無理はないな。それほどの悪評が立てば自滅でも起こすのだろうが… …放っておくなんて選択肢は無いな。行くか) そう決心して街に着いた次第である。 翌朝、彼は路地裏で適当に陣取った場所で休めていた体を起動させると、辺りを見回す。 (さて、昨日は碌に…というかちょっかいを一つ欠けただけだな。今日から本格的に…と) 機械の体を持つ彼は一通りの動作の確認を終えると布団(の代わりの厚い布)を仕舞い、勢いよく立ち上がると隣の布塊を見下ろし 「ごめんね、いきなり押しかけてきて…」 「街のためってことだろ? なら文句はねぇさ。起き抜けに変な音鳴らしてたことも黙っといてやる」 布塊から伸びた手はプラザムへ向けたグッドサインを形作っていた。 「それに、だ。家・商売を持っててすら路地裏身分以下でしかないこんな街でな、俺みたいな身分に無条件でメシくれる奴なんかまず居ねぇよ。応援してるぜ」 そんな言葉に背中を押され、少し気分よく…いや、引っかかる言葉が一つ。 (『家・商売を持っててすら路地裏身分“以下”でしかない』、か。まぁ、生活の困難をアクセントに充実した人生送ってる路地裏身分も見かけそうなものだが、聞くだけの状態でも街は…ともかく、) まずは街で情報を集めてから。そう思い、プラザムは昨日から用意済みの人間の姿のままで大通りに出た。 (先ずは区画掲示板を確認、かな。この時間なら張り替えも済んでるだろうし…と?) そして近場にある掲示板の方を向くと そこには人だかり、そして交わされている 「目が光るなんて化け物、本当に出たのか…」 「問答無用無差別で襲撃、か。最悪、存在を消される…」 そんな噂話。 嫌な予感がして、しかし焦りを極力見せずに人だかりの中心へ向かう。 その中心には掲示板。一際目を引くのは要注意人物の張り紙。 人相こそ凶悪に脚色されているが、その特徴はまさしく“いつもの”プラザムそのものである。 (やっべぇ、あの一件から一晩でこれかよ!? これは思ったより大ごとに…ん?) 『やらかした』という感情を誤魔化す苦い顔を作り掲示板から目を背けたことで飛び込んできた違和感、そして既視感。プラザムが視線を止めた先には… (…昨日のアイツ、か。無くしたアレ、奴が持ってる可能性はあるな。しかしどうやって接触する? 心象通りの味方なら収穫は倍増し…だけどこのままじゃリスクが) そう考えながら少年は掲示板を離れ目的地へと動き出す。 彼は反乱勢力の諜報担当として動いており、プラザムが昨日接触した少年そのものである。 先述のプラザムの既視感の正体がこの少年、ということだ。 …なお、それは少年の知ったことではない。しかし暫く歩くうちに彼は違和感に気付く。 (今日も誰かが後を尾けてるな。なら、いつも通りの作戦でいくか。) ただ、この事態はもう手馴れたものである。どうせこの手の尾行者はウォルターの密偵と相場は決まっていた。のだが (という感じではない? 気配の種類が違う…となれば) 少年は路地裏に入り、自然に突き当りまで歩くと振り返ると 「どうせ気付いてるんだろ? ここから出れるところは…」 「アンタくらい小柄なら登れるんじゃないか?ここまで」 返事は頭上から聞こえてきた。そして見上げてみれば見覚えのある発光の仕方をする… 「昨日の!?」 「アジトまで黙るという選択肢もあったんだけどね? 勘付いてくれたものだからいい機会かなぁ、と思いまして」 冷酷そうな外見とは似付かないフランクな口調で話す”ソレ”は、飛び込むように壁を飛び降りると器用に前転で受け身を取り、少年の前に立つ。 「あ、頻繁に無茶をするから膝の修理が間に合わないんだよね。だから気にせず…」 「要件は? わざわざ俺を尾行したのならあるんだろ?」 「あー、俺、プラザム。この街がヤバいって聞いてですね? 実情を見てやろうと思ったのが訪問のきっかけ。内容次第によっては少し手を出そうと…」 「で、昨日の。 …まぁ、話は聞こうか。ほら、こいつを被っ」 バチィッ 「お気遣いどうも。では、ありがたく」 顔を上げればプラザムと名乗ったソレの姿は、黒目と小さめの鼻が特徴的な茶髪の男の姿に変わっていた。 「で。流れからして、移動?」 「…まぁ、な。俺一人でどうにかできそうな問題でもねぇし。」 そうしてついていった先、階段を降りると少年はドアをノックする。 「報告があるなら先にそれから願う。」 「あぁ、実は…」 (…ここから先は見聞きはしない方がいいよな?) そう考えて後ろを向き耳を塞いで…という格好を取りつつ、好奇心に負けて少し機能を弄り盗聴を図りかけたこともさておいて。 「よし、入るぞ…おい」 「おぉ、了解。では失礼します…」 少年の先導に従って数歩進み、入って右の方に居る女に顔を向ける。 …“漏れ聞こえ“た内容によれば彼女がここを案内する手はずになっているとのことで、名前を『ケイシー』というらしい。ついでに、こちらの正体もやんわり明かされているようで 「…まぁ安心しろ。ケイン坊の話の裏が取れればここも味方してくれるよ」 「となると反体制的な活動をされていらして?」 「街を救うためだ…にしても、なるほど本当にアンタは。」 そう言いながら下がっていくケイシーの目線を追って今更気付く。 (しまった、足だけ変装用のじゃねぇ!? 航行兼用のままだった!) そこだけ金属の質感を感じさせるプラザムの足はその場にいる団員が見守る中付け根からつま先へと放電を始め、それが止む頃には胴体部と同じ肌を持つ人間の足が姿を現していた。 遅い誤魔化しを終え、終始気まずそうな顔で上を向いていたプラザムが顔を下げずに口を開く、 「…まぁ、お察しの通りで。ところでこの街の現状としては」 「酷いものだよ。どれだけ吹っ掛けられようが上にゴマさえすればお咎め無し、しかしそれをするには5人以上を破滅させなければ意味が無い…てのがわかりやすいかね。」 「…想像できる範疇ではあるか。が、その調子だと」 気まずそうな顔に苦い感情を交えてそう呟くプラザムに対し、ケイシーも無言で頷く。 暫くするとプラザムは大きく息を吐いたのちに表情筋を緩めて上げっぱなしていた顔を前に向ける。そして 「まぁそうでなければあの街の辛気臭さは出ないか。信用についてはそちらに任せるから、協力させてくれないか」 「わかった」 そう言ってケイシーが頷き、振り返って部屋の奥へと歩いていく。 気付けばケインはいつの間にかプラザムの隣から離れ、地図を囲んで会議をする一団に混じっていた。 (元々ここの団員か。なら杞憂の元…しかし) ケイシーの後をついていきながらプラザムは“状況把握のために”と、また盗聴機能を使って盗み聞きをする。 (雰囲気から感じる通り、と言っていいか。さて、その答え合わせは) プラザムが立ち止まると同時に顔を上げた先、ケイシーと話をする男が居た。 青年を両脇に控えさせ、またその落ち着き具合からも彼が一団のリーダーだろう。 そんな彼の目線がこちらへ向く。そして 「君がプラザムか。」 「はい… アジトを出たプラザムは、宛ても無しに街を歩く。 (まぁ予想通りではあるか。『決行は明日以降、領主の行動を見て判断』、と。それに) ―…俺、派手に正体バレちゃったけど? ―こちらの準備が一通り終わったところだ、問題ない。 (…むしろ明日にでも本来の姿を晒して、としてでも彼らが付け入る隙を与えることは出来る。しかし) 正直、プラザムにとってはもう少し判断材料が欲しいというのも心情ではある。と、 「っそぉ、放せ!」 ガシャァン 「駄目だ。恨むのならケインって近所のガキを恨むんだな」 「あぁ、うちの商品を!」 聞こえた方向に目をやれば、店を荒らしていたのは街を護るはずの衛兵。しかも正規兵に混じって噂に聞いたパチモノ服の者もおり… (…信用。ったく外評通りの腐りっぷりで。ただ、そんなことしていると) そこから路地裏に目をやれば、先ほどまで座り込んでいたホームレス達の姿が見えない。その直後 バタァン 「いつまでも思い通りとはいかんぞ、腐れ権力の手下め!」 そう叫んで消えたホームレス達が店の奥からなだれ込む。 ただ、それを見た衛兵たちの顔に浮かぶのは面倒などではなく 「ハハ、富のタネがこうやすやすと…他に譲ってたまるか!」 「いいや、俺が総取りしてやらぁ!」 手柄を急ぐ欲であった。 …無意識に彼らを止めに行こうとしていたのだろうか、肩を掴んで引き戻されたところでふと我を失いかけていたことにプラザムは気付く。 「あんさん、旅の人だろ? 死にたくなきゃこの街を出な。」 反論しようとして店の方に目をやれば、ホームレス達は一方的にやられることもなく衛兵に抵抗していた。 「連中もこんな街じゃ無ければ優秀な魔術師になれたのかもな、気の毒に」 「だな。仮に路地裏を出ないにしてもあれほどの…」 そんな会話にこみあがるものを抑えながら、プラザムはその場を立ち去る。 来た道を引き返し、彼の足は再びアジトへ進んでいく。 (せめて、彼らが動くきっかけでも作ってからじゃ成功は…) 「じゃあ、彼らが動いたと。」 リーダーの男がそう呟く。 「俺は普通の人間みたいな殺し方はある程度通じない。だからこそ…」 「はやまる必要は無い。奴らのやり方なら、彼の身内であれば見せしめに広場で殺すだろう。そこを狙う。 …彼らを引き入れられなかったことは悔やまれるが、生存を祈るしか」 バタァン 「従兄ン家が捕まった!」 静寂を破り、ケインが慌てた様子で部屋へ入る。 入り口近くに陣取っていた団員がすかさず彼のもとに駆け寄り、背中を摩るなどして落ち付かせつつこう質問する。 「その従兄は無事なのか?」 「多分…ケイシーさんが丁度来たから任せてきたからわからない。あのままだと俺、どうしたらいいか分からなくなって…」 「そうか。判断が鈍る前に人を頼れたのはよくやった。お前が落ち着くまで俺たちでできることをする。だからな?…」 そうして数人が少年を別室へ連れていく中、残った一人がリーダーの方を向いて 「ケイシーの引継ぎに行きます。動きがあれば連絡しますので心づもりだけ」 「わかった…よしプラザム、お前も同行しろ。  …本格的に、仲間になってくれるんだな?」 プラザムは力強く頷く。そして差し出された手を握り 「もちろん。俺、これを見逃せるような”人間”ではないんで。」 このように答えを返した。 …心なしか、握り返したプラザムの手から非物理的な圧を感じる気がしたのは気のせいだろうか


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