大帝国と鎧の種族
割とよく語られている剣と魔法の世界を自分なりに練り直したものになります。
今回はインターマーという、ド○クエのさまようよろいモチーフの種族について。
近いもので言えばぶっちゃけSF系作品の電脳AIとかそういう類いのものになるかな(てきとう)。
大帝国と鎧の種族
割とよく語られている剣と魔法の世界を自分なりに練り直したものになります。
今回はインターマーという、ド○クエのさまようよろいモチーフの種族について。
近いもので言えばぶっちゃけSF系作品の電脳AIとかそういう類いのものになるかな(てきとう)。
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酒場で語られる物語タグ
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語り継がれる話というのは強い印象を与えるエピソードや憧れを生むものがあるから語り継がれるのだろう。今回はこちらの世界で語り継がれてきた話を取り上げる。
なお、この話は、旧(ふる)くから存在する街道の中継に位置する、砦跡を利用した小さな宿場に設けられた酒場で語られたものである。
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…と、このように「疑似兵士(ゴーレム)」生成術は魔術師のオークたちにより、戦闘技術を試す相手として開発されたんだ。
当時における高等技術を多く取り入れてすら単純な戦闘しかできなかったが、有志の高等術師を数人抱え込んでそれは発展を遂げていった。
ある時、それに目を付けたマガス国が自国の兵力増強のためにその技術者を取り入れた。
建国して間もない小国だったマガス国は生き残る術としてこの技術に注力し、戦闘兵士としての疑似兵士ゴーレムの基礎がこの時に完成した。
が、まだ実践投入には至らなかった。訓練では連携が取れずに各個撃破されて負ける事が多く、それに話の出来ない兵士が多いだけで人間兵の精神が多くすり減ってしまう問題も起こったらしい。
そこでゴーレムに言語指示を飛ばす研究のために新たな層の技術者も招集され、彼らを「話術研究チーム」として別方面からの機能拡張が図られた。
ただし、話術研究チームの発足については単に現場の気分転換を図るためとする説もあるがな。
…ついでだからそっちの起こりも話しとくか。
学問に分類するなら…難しいな、言語学か?まぁ、とにかく話術を魔術で再現しようって流れだ。
一冊のメモ帳解読がその始まりとされていて、しかもそのメモ帳は今や15年続いたあのオーク戦役の終結に関わる資料としても有名だ。
魔術研究士独特の表現で記されていたことがあの学者連中を大いに刺激したみたいだな。
話を戻そう。
疑似兵士(ゴーレム)を実践投入に踏み切ったのは建国から15年後、西マガスの反乱の鎮圧だな。
当時おおよそ新兵程度の戦闘能力ながら量産体制を確立していたマガスは5ヵ月で反乱側の戦力を制圧し、7カ月後には戦後処理も終えてしまった。
マガスはこれをきっかけとして一大帝国へと成長していくことになる。
そして、その時の功績から疑似兵士(ゴーレム)を制式採用するに当たってそれを人間兵と区別するために「魔導兵」と呼んだ。
余談だが話術研究チームが制圧後2か月間に活躍したって話でな、反乱側を宥めるのは勿論のこと、反乱の原因を聞きだした後には当時の王を相手にとって交渉に踏み切り、研究員5人の斬首刑と引き換えに和解を成立させたそうだ。
魔導兵の会話系機能が発達しだしたのもその時からと聞く。軍の笑い話には魔導兵を扱ったものも多いくらいだ。
こうして最高戦力たる魔導兵を得たマガス帝国はその後も戦争や内乱が頻発した混乱期を長く生き抜いた数少ない国となった。
が、そんな帝国に大きな危機が訪れる事となる。
頻発した戦争や内乱は負の感情を多く生み出し、それがやがて混乱期最悪の遺産と呼ばれた魔王ワーマーを生み出した。
世界中の国がワーマーの執拗な侵略を受け、各国の反撃も虚しく奴は勢力を強めていった。
しかし、マガス帝国も猛攻を受けながらしぶとく生き残り、彼らを中心として各国を纏め抵抗戦線を築いて
その先陣をリードしていくことになる。
その粘り強い抵抗が功を奏してワーマー討伐は達成されたが、さすがのマガス帝国も魔王ワーマーとの戦いによって大きく疲弊してしまった。
さらにこれまでずっと戦争に力を注いでいたマガス帝国はその後訪れた平和に対応することが出来ず、ついにマガス革命運動をきっかけとして帝国は解体されることとなる。
魔導兵も例外ではない。
解体直後は混乱期の反動で戦力排斥運動が盛んだったからな。
「高い軍事力の象徴」であったことを理由として魔導兵達は軍を追われ帝都を離れた。
それに追い打ちをかけるようにして帝国の後に興ったマガシア公国が魔導兵に懸賞金をかけ、討伐されていって、いつしか魔導兵はマガス地方の歴史から姿を消してしまった。
魔導兵に関わった研究者たちも話術研究チームを除いてあらかた処刑されてしまったと記録に残っている。研究資料も灰にされたそうだ。
こうして魔導兵はマガスの人間から忘れられていくこととなった。
それからしばらくして世界的な戦力排斥の流れも落ち着いてきたころに森の番人として、「インターマー」と呼ばれる者の物語が世に出始めたのだ。
どうもその舞台となる地はどこもマガシアの隣国の話らしい。
彼らの特徴がどうにも魔導兵に似ている気がするんだ。それに彼らの話し方がそもそも混乱期の軍用語を彷彿とさせるものだしな。
…私がここにいるのはそういった理由でインターマー達があのマガス帝国と関係があると睨んでいるからなのだ。
今はまだ推測の範囲を出ないがそのうち事実として続きが話せることを期待してもらえればありがたい。